世界を驚かせた奇怪、猟奇的な殺人事件の数々、そしてその犯人。科学では解決できないミステリー現象。それらを紹介していくブログです。

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恐怖の学園都市 ゲインズビルの切り裂き魔

本名ダニエル・ハロルド・ローリング 通称ダニー・ローリング

「奴は外ではいい人ぶってるが、家に帰ると恐るべき悪魔に変貌する。奴の不条理な怒りや暴力の的にされるのは、いつも俺やお袋だった」
(ダニー・ローリング、父親について)

よく、男性は幼少期に見た父親の背中を無意識に追いかける、と言う。
しかし、自分を虐待してばかりいた父親に、そのような感情は持てなくなるのは当然かも知れない。
ゲインズビルの切り裂き魔ダニー・ローリング
微罪を繰り返し刑務所とシャバを行ったり来たりしていた男は、「ゲインズビルの切り裂き魔」として平和な学園都市を震え上がらせた。
ダニー・ローリングのその凶行は、自分を不条理に虐待してきた父親への無言の復讐だったのだろうか。

発端:学園都市を襲った恐怖
1990年、8月下旬のフロリダ州の北部にある学園都市ゲインズビル。
新入生達は来月から始まる新しいキャンパスライフへの、期待に胸を膨らませてアパートや下宿への入居を続々と終えており、街全体活気に満ち溢れていた。
1990年8月20日発売の「ザ・マネー」誌の特集「アメリカで住んでみたい13都市」の一つに選ばれたほどの美しい街並みと、学生たちの活気で街は賑わっていた。
しかしその一週間後、そんな華やいだ空気をどこかに吹き飛ばしてしまうような猟奇殺人事件が起きるとは、住民たちは知る由もなかった。

最初の事件は8月26日に起きた。
9月から新1年生となるクリスチーナ・パウエル(17歳)とルームメイトのソーニャ・ラーソン(18歳)の両方の母から、
「いくらコールしても娘が電話に出ない」との通報を受けたアパートの管理人が合鍵を使って部屋に入ったところ、血まみれで死んでいた2人を発見。
管理人は慌てて警察に通報した。
早速駆けつけた警察が捜査を開始したところによると、2人とも死因は鋭利な刃物による刺殺で、1人は全裸で、1人は半裸だった。
2人とも顔面から体中に至るまでズタズタに切り裂かれており、1人は乳首を噛み切られるか切り取られており、仰向けでドアに向かって大きく足を拡げられており、
部屋に入った人間には、わざと性器が丸見えになるようになっていた。
犯人は何のために、死体に恥辱的なポーズをとらせたのか。ある捜査員は「犯人は病的な変質者か? あま
りにもショッキングな犯行だ」
と青ざめて語った。
翌27日、今度はクリスティア・ホイト(18歳)がこれまたアパートの自室で、死体となって発見された。
犯人は彼女をレイプしたあと、鋭利な刃物で胸から腹部までを一文字に切り裂いて殺害。彼女の死体には首と乳房がなかった。
彼女の切断された生首は、何と化粧台の上においてあったのだ。
犯人は部屋に入った人間に生首が見えるように、わざわざ化粧台の上にキチンと置いていた。
さらに異常な工夫までしていた。化粧台の三面鏡を開いており、そのため部屋のいたる場所から生首が見えるのである。
もし誰かがカーテン越しに部屋を覗いても、生首が見えるようにしてあった。犯人のあまりに異常な行動に、捜査員たちは言葉を失うばかりだった。
警察はアパートの他の住民の指紋も採取するなどして必死に調べたが、犯人の手がかりは掴めなかった。

殺人:さらなる犠牲者
次に切り裂き魔の犠牲となったのは4年生のトレーシー・パウレス(23歳)と彼氏のマニーことマニエル・タボータ(23歳)だった。
将来結婚を誓い合った2人の仲はトレーシーの両親も認めており「背も高くガッシリとしたアスリートのマニーと一緒なら、痴漢や強盗の類が侵入しても安心だ」
と同棲を許可していた。
マニーの友人の1人であるトミー・キャロルは、日曜に何度もマニーに電話をし、留守電にまでメッセージを入れたが1度も反応がなかった事に心配していた。
トミーは火曜の登校前に2人のアパートのドアを叩いた。しかし返事がない。
例の切り裂き魔事件の事もある、と心配になったトミーはアパートの管理人を呼び、合鍵を使って部屋の中に入った。
そこでトミーと管理人が見たものは、上半身をメッタ刺しにされたマニーの遺体と、レイプされたトレーシーの遺体だった。
どうやらマニーは寝ている最中に切り裂き魔に襲われたようで、30ヶ所以上も刺されていた。
トレーシーは足を大きく開かれた状態で、やはり首は切断されていた。トレーシーの首は本棚の上に置いてあった。
部屋に踏み込んだ警官はトレーシーの生首と目が逢い、戦慄したという。
第4及び第5の遺体の発見により、ゲインズビルはアメリカ中のメディアの別の意味でのスポットライトを浴びる事となった。
5人中4人が若い女子大生という事もあり、1970年代にやはりフロリダ州で連続強姦殺人を犯した凶悪連続殺人鬼テッド・バンディを重ねる人も多かった。
メディアはバンディの事件と今回の事件を比較しながら、このアメリカ版切り裂きジャックをゲインズビルの切り裂き魔と名付け、新聞や週刊誌は飛ぶように売れた。
5人の犠牲者への哀悼の意を表した34thストリートのボード

警察は公表していなかったが、ゲインズビルの切り裂き魔の犯行に共通する部分を見つけ出していた。

1.被害者をレイプする際に口にガムテープを貼って口封じをし、犯行後にそのテープをはがして持ち帰っている。
2.血まみれの死体を綺麗に洗い流し、指紋などが一切つかないようにしている。
3.被害者をレイプした後、膣や直腸内を漂白剤で洗浄し、精液が残らないようにしている。


しかし、切り裂き魔は近代アメリカ警察の鑑識能力を甘く見すぎていたようだ。
犯行現場にわずか残っていた精液をDNA鑑定したところ、ダニー・ローリングという強盗常習犯のそれと一致することが分かった。
すぐに逮捕されたローリングは、5件の殺人と3件の強姦罪を全て自供した。しかし、あの残虐な犯行の動機については、沈黙を守るだけだった。

過去:父との撃ち合い
ダニエル・ハロルド・ローリング、通称ダニーは1954年5月26日、ジェームス・ローリングと妻クラウディアの間に生まれた。
ダニーは警察官だった父ジェームスに虐待されて育った。少年時代をこう語っている。

「親父の事を話していると気分が悪くなってくる。友達は家に遊びに来るのを禁止されていたし、お袋の家族すらもだった。
自分の妻の家族すら訪れるのを禁止とか、こんな馬鹿な話があるか。
普通の家庭なら楽しみにするクリスマス休暇だが、俺は毎年嫌で嫌で仕方なかった。理由は親父がずっと家にいるからだ。
親父がいると家の中に重く嫌な空気が充満してしまう。クリスマスツリーは飾り付けるし、プレゼントもある。七面鳥の丸焼きもケーキもある。
でも親父がいるせいで台無しだった。俺とお袋はいつも薄氷を踏む思いでビクビクと生活していた」

(母クラウディアは『ダニーは思い悩み10代の時に自殺を試みた事もあった』と証言している)

ダニーは高校に卒業したあと、職についてもすぐに辞めてしまった。
1971年に空軍に入隊するも、重篤な薬物やアルコールの問題で退役している。 ダニーはどんな仕事でも最長で2ヶ月しか続かなかった。
仕事にもつかずブラブラしている内に強盗を働いて捕まり、ミシシッピー州刑務所に服役したのが始まりだった。
釈放されると、すぐにまた強盗を働いては捕まり、また刑務所に送り込まれる。こうして南部4州の刑務所を出入りしている内に15年が過ぎた。
在りし日のローリング家

1990年5月、36歳になったダニーは何を思ったのか、突然家にひょっこり帰ってきた。警察官だったダニーの父はもう定年退職していた。
数日は何事もなく過ぎたが、その内ダニーは父と言い争う事が多くなった。
ある日ダニーと父は些細な事から口論になり、西部劇のように互いに射ち合うという、最悪の事態となってしまう。
ダニーはその時の事を、次のように供述している。

「激怒した親父は銃を俺に突きつけ、俺を家から追い出しドアに鍵をかけた。
俺は家に残されたお袋の事が心配になった。親父は昔から何かあるとお袋に暴力を振るったからだ。
非道い目になっていないか不安だったので、俺は車に隠していた38口径の拳銃をもって、ドアを蹴破って中に入った。
親父は即座に3発撃ってきたが全て外れた。元警官にしては下手な腕だ。
俺も3発親父に撃ち返したら、最初は外れたが次の1発は奴の腹に命中した。3発目は奴の眉間に当たった。
俺はてっきり親父を殺したと思ったら、奴は不死身だった。片方の目と耳がダメになったが、まだ生きていやがった」


ダニーはその場から逃走し、瀕死の状態だった父は病院に運ばれ奇跡的に助かった。そのままダニーはフロリダまで逃げ延びた。
彼は追い詰められていた。今度捕まれば殺人未遂でもう一生シャバに出られる事は出来ないだろう。親父を殺すことが出来なかったのが悔しい。
お袋が心配だが、もうどうする事も出来ない………。
それから3ヶ月後の8月下旬、ダニーはゲインズビルで狂乱の猟奇殺人事件を起こした。

審判:ローリング家の葛藤
1994年3月17日、スタンレー・R・モリス判事を裁判長として開始されたゲインズビルの切り裂き魔裁判は、全米中の注目を浴びる事になった。
以前はただの「ケチな強盗常習犯」だったローリングは、一気にその名を全米に知られる事となった。
裁判で明らかになった事実は翌日即座に記事になるような感じだった。ローリングは次のように証言した。

「俺の親父は二重人格者だ。警察官を22年間勤め上げ、今は退職している。今でも胸に輝くバッチを憶えている。
しかし家に帰って制服を脱いだ途端、別人になる。妻と息子に暴力を振う恐ろしい悪魔に変わるのだ」


ローリングはメディアのマイクに対しても、父親に対する怒りをブチまけた。

「親父は人を愛する事を知らない人間だ。外ではいい人ぶってるが本性は氷のように冷たい人間なんだ。
親父は足のトゲが刺さった老いて凶暴になった大熊だ。いつも怒りに燃えている。悪い事にその怒りの的にされるのは、いつも俺とお袋だった」


ジョン・J・カーンズジム・ニルソン両公選弁護人が弁護側証人として裁判に呼んだローリングの母クラウディアも、夫への恨みを口にした。

「ダニーはずっと夫から虐待されてきたのです。夫は何故か息子のダニーに嫉妬していました。
私が子供だったダニーを抱くと激怒するので、夫がいる時はダニーへの愛情を示す事が出来ませんでした。
ダニーが物心つく頃には『お前は15になるまでに刑務所に入っている』とか散々な事を言ってダニーの自尊心を傷つけまくりました。
幸せな日なんてただの1日もありませんでした」


こうしてローリング家の恐るべき葛藤が全米に明らかになったが、結局ローリングの真の動機は分からずじまいだった。
ローリングは事件をセンセーショナルにしようとして病的変質者の仕業に見せかけたのか?
それとも警察への挑戦だったのか? あるいは父への復讐のため、連続殺人を起こしたのだろうか?
犯罪ライターのサンドラ・ロンドン女史に語ったところによると「エクソシストⅢを見て、被害者を切り刻む事を思いついた」そうだが…。
「殺しは弱い者を徹底的にいたぶりたいと願うもう1人の自分、ジェミニの仕業」と主張するが、当然このような主張は受け入れられなかった。

事件から約4年後の1994年9月、5件の殺人と3件の強姦罪でローリングに5回連続の終身刑が言い渡され、マリオン刑務所に入った。
しかしその後、1989年11月4日にルイジアナ州シュリーブポートで起きたウィリアム・グリソム(55歳)と娘のジェリー(24歳)、孫のショーン(8歳)が惨殺された事件で、
ジェリーがレイプされた後に膣内を洗浄され、切り刻まれ屈辱的なポーズをとらされてたなど、ゲインズビルの事件と多くの共通点があったことから、
シュリーブポート警察は「グリソム一家殺しもローリングの犯行では?」とフロリダ警察に事件の詳細を問い合わせて、ローリングを正式に逮捕。
ローリングは今度は死刑判決を受けた。
ローリングはバンディやジェラルド・スタノも過ごしたフロリダ州立スターク刑務所に送られた。刑務所内で悪魔や被害者の絵を描いて暮した。
ローリングが刑務所内で描いた絵
ローリングは反省の念を示さず、最後まで犠牲者の家族らに謝罪を口にする事はなかった。
土壇場で刑に異議を唱えて控訴するも、米連邦最高裁判所によりあっさり却下された。
2006年10月25日22時13分、薬物注射による死刑が執行され、ゲインズビルの切り裂き魔は52歳でその生を終えた。

余談だが、グリソム一家殺しに関しては一貫して容疑を否認し続けていたローリングだが、死刑執行直前この事件も自身の犯行だった事をカミングアウトしている。

参考文献
快楽殺人者の異常心理 (KKベストセラーズ)
参考サイト
CrimeLibrary
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テーマ:衝撃 - ジャンル:サブカル

コメント

母親しか子供を守れないんだからさっさと離婚しろよ。父親も母親もクズだ。
クズが子供をうむから犯罪者がうまれ、被害者がうまれる。

  • 2013/08/20(火) 08:09:37 |
  • URL |
  • 匿名 #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 母親しか子供を守れないんだからさっさと離婚しろよ。父親も母親もクズだ。
> クズが子供をうむから犯罪者がうまれ、被害者がうまれる。
子供を食べさせていくことを考えると、安易に離婚も出来なかったのでしょうね。
ダニー・ローリングは悪循環が生んだ殺人鬼、かもしれません。

  • 2013/09/29(日) 22:10:18 |
  • URL |
  • とあるプロファイラー #-
  • [ 編集 ]

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  • 2016/06/15(水) 21:32:14 |
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